拒絶理由通知への対応(意見書・補正書の提出)
カナダで商標を出願すると、カナダ連邦政府の知的財産局 (CIPO) から拒絶理由通知(Examiner's Report または Office Action) が届く場合があります。 これは、商標出願に関連する問題を通知する手紙です。 商標の登録が承認される前に、拒絶理由通知に提示されている問題を解決する必要があります。 この記事では、知的財産局 (CIPO) からの拒絶理由通知に対する一般的な対処方法について説明します。
1. 拒絶理由を理解する
最初のステップは、拒絶理由通知を注意深く読んで、内容をよく理解することです。 拒絶理由通知には、出願中の商標がなぜ登録できないのかについて概要が記載されています。 一般的には次のような問題が多く挙げられます。
- 出願中の商標が、既存の商標と混同しうる
- 商標で使用されている用語が、記述的または一般的な用語である
- 独自性に欠けている
- 単に人名または姓(苗字)である。
- 申請書の情報に不完全または不正確な箇所がある(外来語の翻訳不足など)
2. 商標法の専門家に相談する
拒絶理由通知に対する返答方法がわからない場合は、商標代理人 (Trademark Agent) に相談することをお勧めします。商標代理人は、拒絶理由通知に示された問題点を理解し、それらに対して経験と専門知識をもとに方策を示すことができます。また、商標代理人は、知的財産局 (CIPO) とのやり取り、各種通知に対する返答、CIPO との電話での話し合いも申請人に代わって行うことができます。
3. 意見書・補正書は、必ず期限内に提出する
拒絶理由通知に指定されている期限内に応答することが重要です。 期限内に回答しない場合は、商標出願が放棄される可能性があります。 応答に時間が必要な場合は、所定の手続きを経た上で、回答期限を延長することができます。
4. 提起された問題に的確に対処する
知的財産局 (CIPO) が拒絶理由通知内で提起している問題に対処する必要があります。 これには、商標出願を裏付ける追加情報や証拠の提供、出願内容の修正、または CIPO によって提起された異議への対処が含まれます。要求されていない情報を提供する必要はありません。重要なポイントは、提起されている問題や疑問に焦点を当てて対処することです。この点がクリアされない限り、拒絶理由が解消されることはありません。
5. 明確かつ簡潔であること
返答は明確かつ簡潔であることが重要です。 回答では、拒絶理由通知で提起された特定の問題に焦点を当て、どのように対処したかを明確に説明する必要があります。平易な言葉を使用し、登録官を混乱させる可能性のある専門用語を避けてください。
6. CIPO に出願状況を確認する
意見書・補正書を提出した後、知的財産局 (CIPO) が回答を検討し、商標出願を査定するまでに数週間または数か月かかる場合があります。 相当な時間が経過しても CIPO からの返答がない場合は、CIPO に出願のステータスを問い合わせることができます。
結論
商標の拒絶理由通知への対応は、気の遠くなるような手続きになる場合がありますが、適切な手段を取れば、拒絶理由を解消して商標登録に進むことができます。
上記に挙げたように、1)拒絶理由通知の中で提起されている問題を理解する、2)必要に応じて商標の専門家に相談する、3)期限内に意見書・補正書を提出する、4)出願を裏付ける明確かつ簡潔な情報を提供する、というステップが重要です。
商標の拒絶理由通知に関するご相談は、当法律事務所 までお気軽にお問い合わせください。
(日本語での対応も可能です。)
*このページの情報に関する詳細は 当法律事務所 までお尋ねください。
免責事項: このウェブサイトで公開されているリソースは、情報提供を目的としており、法的助言を与えるものではありません。特定の状況に関する法的質問については、弁護士にご相談ください。